2019年入社:瀬尾 一騎(せお かずき)
なぜ、彼は入社1年目で「多能工推進室・室長」に指名されたのか?
出身高校と今の仕事を教えてください
◯年に馬頭高校を卒業した瀬尾一騎(せお かずき)です。私は建設業の中でも「内装」の仕事をしています。専門的には「内装仕上げ工事」と言われ、建物の内装をつくる仕事です。
ただし、この内装の仕事は、あなたが想像するものと、少し違うかもしれません。同じ内装でも「インテリア」のような分野ではなく、天井やカベの中身をつくる仕事です。中身と言っても、ピンとこないかもしれませんが、クロス(壁紙)を貼る前のカベや天井をつくっています。
その天井やカベの中身はどのようになっているのですか?
あなたの家などはきっと木造なので、大工さんが木材でつくっていると思います。ですが、私たちの仕事では、軽量鉄骨と言われる、専用のハサミで切ることができるほどの厚みの鉄の材料を加工して、天井やカベの骨組みをつくります。そして、そこに石膏(せっこう)ボードを加工して張っていきます。
入社2年目ですが、リーダーを任されている分野があります…
今、瀬尾さんはどんな仕事をしているのですか?
今は、まだ入社1年目なので、先輩社員のもとで勉強しながら少しずつ技術を覚えています。ただ、クロス(壁紙)は、入社1年目ですが、リーダーを任されています。これまで建設業の仕事は、専門が細かく別れていました。ですが、これからの時代は一人が複数の専門の仕事ができたほうが良い時代と言われています。
そこで私は、高校生時代にクロスを貼る経験があったので、社内ではクロス分野のリーダーを担当しながら、軽量鉄骨やボードの仕事を学んでいます。ちょっと大変ですが、以前から「建物をつくる仕事」をしたかったので、毎日楽しいです。
高校時代は、教室のカベの「ひび割れ」を見て…
瀬尾さんは、どのような高校生でしたか?
普通の高校生だったと思います。毎日勉強していました(笑)それと、元々建物をつくることに興味があったので、教室や廊下を見て「これって、どんな風につくっているのかな?」と、よく考えていました。他にも、冬になると「なぜカベが結露して水滴が落ちてくるのか?」などを考えていました。
そのような中、一番不思議だったのは、カベの「ひび割れ」でした。これを「どうやって直すのだろう?」と。ちなみに、この仕事に就くまでは、てっきり、カベを全て壊して、また一からつくるのだと思っていました。しかし、実際は違っていました。ヒビのある部分だけを職人技で切り抜き、上手く補修する技術を知り、ビックリしました。
他にも不思議なことがありました。教室はクロス(壁紙)を使っていないのですよね。でも、他のところではクロス(壁紙)を使っているところもあって。それに気がついたとき「どのように、この区別をしているのかな?」と疑問に思いました。
なぜ、卒業後は解体業を選んだのか?
高校卒業後は、どのような仕事をしていたのですか?
卒業後は、友人の誘いもあり、建物を壊す「解体業」の仕事に就きました。本当は、つくる仕事をしたかったのですが、友人の誘いもあり、まず解体業に就きました。解体業は、建設業の中で唯一とも言える「つくらない建設業」です。
「つくる仕事」をしたいと思っていたのに、なぜ解体業?と思うかもしれませんが、高校生のときは「友達に誘われて…」というのが現実でした(汗)だから、私はごくごく普通の高校生で、友だちに流されやすいタイプだったのかもしれません…。
ただし、この解体業も勉強になりました。今、私が仕事でつくっている天井やカベを解体する機会が何度もありました。そこで興味深かったのが、解体が難しいものが、しばしばありました。
それは、手作業ではどうやっても壊れない天井やカベでして。あとは「同じものが全くない」ということに気が付きました。壊すたびに、違うつくり方になっていて、何となく形は似ているけど違うつくりで、それを発見するのが楽しかったです。そして、その後、約束の期間が過ぎたので、元々就職を考えていた「つくる仕事」である内装業に就きました。
大量生産の工場 vs オーダーメイドの建設業
内装の仕事は楽しいですか?
はい、楽しいです!同級生の多くは、学校や家の近くの工場に就職しましたが、私は、そういった工場の仕事は向かないだろうな…と思っていました。なぜなら、毎日同じ場所で、同じ仕事を繰り返すイメージがあったからです。あと、夜勤などもあると聞いていたので、それは厳しいな~と思っていました。
実は、元々つくる仕事をしたかった他に、そのような理由もりました。実際に、この業界で働いてみると、一定期間、同じ現場に行き、天井やカベをつくる仕事ではあるのですが「つくる箇所は毎回違う」ので、ワクワクしながら仕事ができます。
私たちの仕事は、工場で同じものを大量生産する仕事と全く反対で、その現場に合わせて「オーダーメイド」のように、1つ1つ違うものをつくります。例えるなら、オーダーのスーツのようなものです。つくり方は似ていても、寸法や形が全員違うように、現場も全て違います。だから、この仕事は、毎日色々な場所に行き、常に違うものに触れられ、色々な作業ができるので楽しいです!
私がつくった天井を見てほしいです!
どのような仕事をするときが楽しいですか?
元々クロス (壁紙)を貼る経験もしていたのですが、中身である軽量鉄骨で天井の骨組みをつくるときが一番楽しいです。ぜひ、あなたにも見ていただきたいのです。
バーと呼ばれる棒状の材料が真っ直ぐ流れるのを見ると、感激します。まだ、私はその作業の一部しかできないので、はやく先輩のようにゼロからできるようになりたいです。
クロス(壁紙)を貼るのと、軽量鉄骨で骨組みをつくるのは、どう違うのですか?
面白さの内容が全く違います。実は、以前クロスを貼っていたとき「この下地(中身)はどうなっているのかな?」と疑問に思っていました。クロスは、あくまでも軽量鉄骨の骨組みと、そこに張られた石膏(せっこう)ボードに貼るものなので、もちろん技術もいるのですが、その下地の出来上がり具合で、クロスの仕上がりが変わりました。
下地をつくる職人さんはプロですので、もちろん出来上がりがおかしいことはないのですが、もし自分がやったこんなにキレイにできるのかな…?と疑問でした。だから、どちらか片方が上手くいかなければ両方崩れてしまうので、仕事内容は違いますが、どちらも大切だと実感しますし、それぞれ面白いです。
常に違うものに触れ、色々なことを経験したい人向けです
この仕事は、どのような人に向いていないですか?
そうですね、向いていないというのは難しいですが、強いて言うなら、私と反対に、毎日同じ場所に行き、毎日同じ仕事をしたい人でしょうか。そのよな人ですと、全く反対なので向いていないかもしれません。
この仕事に向いてい人は、どのような人ですか?
向いているのは、先ほどの反対で、私と同じような人です。毎日違う現場に行き、常に違うものに触れ、色々な経験をしたい人には向いていると思います。
手先は器用でないとダメですか?
いえ、そんなことはありません(笑)手先が器用と、この仕事で求められる技術は違うので、器用さは全く関係ないと思います。そんなに細かい作業をするわけではないので、安心してください。
工業高校卒業でないとダメですか?
いえ、そんなことはありません!だって、私が普通科卒業ですから(笑)先輩社員などで工業高校を卒業している人は、ほとんどいません。約20名中1名だけだった気がします。それくらい少ないです。
私と「多能工」の技術者になり、手に職をつけませんか?
これからどのような目標を叶えたいですか?
一日でもはやく「多能工」になれるようにがんばりたいと思います!実は、入社したばかりなのに「多能工推進室・室長」に指名され、「下地(軽量鉄骨+ボード)+クロス(壁紙)の両方ができる【多能工】」の社内第1号になる役割があります。
だから、私もぜひそのような技術者になって「手に職をつけたい」と思っています。まだ、社内で誰もいないですし、他の会社でもそのような人いるとは聞かないそうなので、ぜひ第1号になりたいと思います!
高校生の皆さんにメッセージをお願いします
あなたがいる学校や家は、建設業が作っています。だから、私自身もそうですが、私やあなたが毎日快適に生活できるのは、建設業があるからだと、働いていて実感しています。
わたしの同級生は、工場に就職する人が多かったので、もしかすると就職というと、工場にと考えるかもしれません。ですが、工場以外にも、このような仕事もあるので、ぜひ注目してください。
建設業に入れば、私と一緒に働くことがあるでしょうし、もし同じ会社に入ったら、私と一緒に「多能工」の技術者になり「手に職」をつけましょう!
入社後のキャリアについて
入社後は、このようなキャリアと教育制度で歩んでいきます。